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『マジすか学園vsありえね女子高 AKB48×アイドリング!!!』 第79話

 18, 2016 22:21
 ■決戦―15■


 階上からいくつかの足音が聞こえてきた。
 バンジーには、その中に大島優子がいることがすぐにわかった。バンジーだけではなく、この馬路須加女学園の生徒は、その独特の足音――力強く床を踏みしめ、そして足をあげるときに少しだけ靴底を引き摺る――が聞こえると、一瞬で気を引き締めた。それはマジ女生徒特有の習性と化している。それができない者は必ず痛い目にあわされるからだ。
 このときも、バンジーだけでなく、その場にいたウナギ、アキチャ、ムクチ――そして、五十人ばかりの生徒たちが反射的に壁側に移動した。
 「もう優子さんが降りてきたのか……」アキチャがささやいた。
 「にしても……早すぎねえか。てっぺんってのは、もっとこう……最後の最後までどっしりかまえてるもんなんじゃねえのか?」ウナギが返した。
 「けど――」バンジーは言った。「あの足音は優子さんにちがいない……」
 ムクチが激しく何度も頷いた。
 足音が大きくなり、やがて大島優子が階段の踊り場に現れた。背後には、いつものようにサド、ブラック、シブヤ、トリゴヤ、そしてアンダーガールズの五人を従えている。
 その瞬間、バンジーだけでなく、そこにいたすべての生徒たちが直立した。
 大島優子はいつもの大島優子ではなかった。
 病気で入院していた大島優子の顔色は良くなく、少しやつれている。しかし、その目は憔悴どころか、これまでに見たことのない輝きを宿し、殺気が漲っていた。こんな大島優子の瞳を、バンジーは見たことがなかった。
 だが、バンジーは恐怖を感じなかった。大島優子のあの目の理由は、これから始まる《戦争》への期待だとわかったからだ。ひさしぶりの本格的な実戦に、大島優子の心は浮かれているにちがいない。
 「二階にいるやつらはこれで全部か?」大島優子はバンジーに話しかけてきた。
 「い、いえ……まだ、向こうの階段のあたりにもいるはずです」
 大島優子と直接話すのは、これが最初かもしれないと思いながら、バンジーは説明した。
 「そうか。そしたら、そいつらにも伝えておけ――これまでの作戦は中止になった。以後の指揮はラッパッパが執る――とな。そして、いまから残った連中全員で、アリ女を一階で迎え撃つ。戦える者は一人残らず集合しろ。ケガをしている者はさっさと体育館へ行け。以上だ」
 「わかりました」バンジーは頷いた。
 大島優子は再び、階下へ向かって階段を降りていった。目の前を通過していくラッパッパ軍団のメンバーたちは、バンジーらに一瞥もくれなかった。
 しばらくして、バンジーは踊り場と廊下にいる生徒たちを見た。バンジーが伝えるまでもなく、みんなはぞろぞろとラッパッパのあとに続いた。
 「あたしらも行くぜ」バンジーはウナギとアキチャとムクチに言った。
 「ああ。いよいよだな」アキチャがやや堅い表情になった。
 「でもよ――」ウナギは寂しげな声で、「間に合わなさそうだな、あいつ」
 バンジーの脳裏にヲタの顔が浮かんだ。なぜか笑顔だったことに、バンジーはちょっと腹が立った。「もういい。あいつのことは……」
 チームホルモンの四人は、階段を駆け上がり、大島優子の命令を伝令するため、二階と三階へ散った。


  【つづく】

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